1.この制度のはじまり
私たちは長年農業を続ける中で、「作って売るだけ」の関係ではなく、生産者と消費者がもっと近い関係になれないだろうかと考えてきました。
農業は自然相手の仕事です。天候や病害虫などの影響を受けながら果実を育てていますが、その苦労や喜びが消費者の皆様へ伝わる機会は決して多くありません。
そこで、自分の樹を持ち、農園へ足を運び、果実が育つ過程も含めて楽しんでいただく仕組みとしてオーナー制度を始めました。
私たちは果物だけではなく、その背景にある農業そのものも知っていただきたいと考えています。
2.一般的な観光農園とは少し違います
私たちのオーナー制度は、一般的な観光農園や通販サービスとは少し異なります。
そのため、私たちはオーナー様を単なるお客様とは考えていません。
農園を支えてくださる大切なパートナーであり、この制度を一緒に育ててくださる仲間だと考えています。
また、この制度は「料金を支払ったら全てが用意されている」という上げ膳据え膳の観光農園ではありません。
オーナー樹の確認やイベントへの参加などについても、皆様ご自身で主体的に関わっていただくことを前提としています。
もちろん分からないことや困ったことがあればスタッフがお手伝いします。しかし、「全てをサービスとして受け取る」という考え方ではなく、「制度に参加する、もっと広義に言えば畑、田舎を維持する一員」として関わっていただければ幸いです。
実際に農園へ足を運び、自分の樹を見守り、イベントへ参加し、時には農業の現場に触れていただくこと自体が、この制度の大切な価値だと考えています。
私たちが一方的にサービスを提供するというよりも、農園とオーナー様が協力しながら制度を運営していく、共同運営に近い仕組みと言えるかもしれません。
3.CSAという考え方
海外、特にアメリカなどには「CSA(Community Supported Agriculture)」という考え方があります。
日本語では「地域で支える農業」と訳され、生産者と消費者が協力しながら農業を支えていく仕組みです。
消費者は農産物を購入するだけではなく農業を応援し、生産者は作物や農園での体験を共有することで、お互いに支え合う関係を築いていきます。
私たちのオーナー制度も、この考え方に強く共感しています。
もちろん日本版として独自に発展してきた制度ですが、「果物を買う」だけではなく、「農業を支える仲間になる」という考え方を大切にしています。
4.生産者と消費者が対等な関係を目指して
私たちは、生産者と消費者のどちらが上でも下でもないと考えています。
果物を育てる人と、それを楽しみに待ってくださる人。それぞれ立場や役割は違いますが、どちらも欠かすことのできない存在です。
私たちが目指しているのは、「お客様だから偉い」「生産者だから我慢する」という関係ではありません。
お互いを尊重し、感謝しながら、長く気持ちよくお付き合いできる関係です。
こうした関係づくりは、地域農業を守ることにつながり、農業者の地位向上にもつながると私たちは考えています。
オーナー制度を通じて、一人でも多くの方に農業を身近に感じていただき、農園と共に歩んでいただければ幸いです。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
株式会社 萬秀フルーツ
ちたフルーツビレッジ
園主 大崎秀樹