近年開発されている農薬は昭和時代と比べて、環境や人体に対する影響に相当配慮して製造されています。それによって以前あったような、農薬散布中の事故で中毒になるといった事故が大幅に削減されましたし、農薬由来の食品危害もほとんどなくなりました。また農薬の分解(無毒化)のプロセスについても研究が進んだ事で、食べる際に残留しない基準が明確化されており、基準通り使用した場合には無害と言ってよいところまできております。しかしながら、ちたフルーツビレッジでは必要最小限の農薬しか使用しません。これは、やはり散布しなくて良いのであればしないに越したことは有りませんし、散布にはお金も時間もかかりますし、皆さんの顔も浮かびます。そして食品残留以上に、散布するスタッフが最も多く農薬被爆することもあり弊社では最小限の農薬使用にとどめております。
また、農薬使用の削減については、温室で栽培する事でかなりの減農薬を可能にしています。これは作物の病気は雨・風で媒介されるので、温室だとこれらが無い為にほとんど病気が発生しません。その結果、殺菌剤が不要になります。
果樹栽培を行う際に、生産者がもつ技術とともに作物の味を左右するものとして「土壌」の存在があります。 よく農業は「土作り」と言われますが、まさにその通りで、あまり良くない土壌に頑張って有機肥料入れてもやはり限界があります。ちたフルーツビレッジでは温室果樹に適した赤土中心の植壌土に、ふんだんに有機物を投入し、数値的な味覚はもちろんの事、数値(糖度等)に表れない風味、コクを重視して栽培を心掛けています。そして肥料については化学肥料をなるべく使わないようにしています。地域の柑橘専用に独自設計した有機配合肥料を中心に使用し、そこに堆肥は地域の牧場から購入した牛糞堆肥(牛糞と稲藁が中心)と薬草残渣堆肥を混ぜ合わせ、時折切り返し1年ほど寝かせたものを使用しています。